日本の為に働きたいですか?

「商社に入って、日本の為に働きたいです!!」


商社を希望する、意識高い&イケイケ&グローバル系の就活生のほとんどはこういった理由から商社を受けていると思います。僕も間違いなくこのタイプでした。


でも、本当に日本のために働きたい人にとって商社がベストな選択肢なのでしょうか?


就活生には海外出張も多く、世界中にある子会社でナショナルスタッフと仕事ができる商社パーソンはグローバルな仕事が出来る様に映ると思います。また、新卒採用のマーケットにおいても商社は「日本の為に働ける環境がある」ことでブランディングをしてます。実際に働いてみても総合商社が日本の産業を支えていることは事実であると感じます。


しかし、もう一つ深いレイヤーまで考えると、「商社=日本の為に働く場所」という構図に疑問を持たざるおえません。


PwCの調査レポート「2050年の世界」によると、2050年、日本のGDPは世界で8位、成長率はマイナス1%になると予想されています。

他のどの様なレポートを調べても似た様な結果が出ている事からも、2050年の世界における日本のプレゼンスは相対的にみても、絶対的にみても低下するという事がわかります。


つまり、Ezra Vogel氏が“Japan as No.1”を世に送り出した勢いがあった頃の日本であるならば、今の商社が果たしている「日本を支える事」こそが日本の為になっていました。しかし、極端な言い方をすると落ちていく一方にある今の日本に必要なのは産業構造の革新や新規産業の発展といった大幅な変化であると僕は思います。


そう考えた時に商社ではそういったイノベーションを起こすのは僕は難しい様に感じます。


こう思う理由は別途記事に纏めますが、簡単に言うと社員の雇用形態、アセットの規模からみて今後ある程度安定しているだろうと商社の多くの人は思っている為、非常に変化が起きにくい環境が出来ていると思います。


では、「日本の為に働きたいです!!」って本気で思っている人はどこに行けばいいのか。


今の所の凄く漠然とした表現ではありますが僕は「今日本には革新を起こす必要があるから、本気で日本の為と思うならその革新の為に一役かう必要がある。しかし、いきなりそれを出来る人達はいないので、とりあえずそれをやる為のファーストキャリアを考えよう。」と言うことです。

商社でのうのうと働いてる僕が偉そうに言えることではないですが、こういうマインドを持つ人が一人でも増えることが日本が再生するはじめの一歩だと思っています。


何事も正解が分かることは難しいですが、

間違った事を分かる事は簡単だと思います。

そういった意味ですと、本気で日本の為に働きたいなら商社にずっといる事は僕の考えでは正解ではないと思います。


何故なら、

商社は日本を支える場所であって、

日本を変える場所ではないから。